Perceived

 

このところ温かい日が続いています(というか、夏)。小さいのも大きいのも、花や木はみんな満開。日本にいた頃何ヶ月も湯たんぽで寒さに耐えてついに迎えた春とはその到来の感じ方が違いますね。それでも、その土地それぞれの四季の美しさと、そこから生まれる喜びがあって。「私はこちらが好き」と「私の好きなこちらが優れている」、混同しやすいそれぞれ異なる二つの思考・感情。それさえきちんと区別できたら、今起こっている様々な問題は少なくなるのかなと思います。対象となるものは、それ以上でもそれ以下でもない。ただ「それ」であるだけ。

呼吸との関係に似ているな、と思います。毎朝結構に厳しい山を登るのですが、いつも息が乱れる地点があります。そんな時、息が乱れても、乱れそうな呼吸にリードされるのではなく、どうにか今より呼吸を穏やかにできるように意識を先行させる。または乱れてしまってもそれを認識し、今自分が直面している状況を理解し対処を考える。急な坂は急な坂でしかない、それ以上でもなくそれ以下でもない。逆にいえば、美しいというものもない。美しさとは、心で感じ見るしかない。

冬が長い故郷・日本。冬の短いここロサンゼルス。それぞれの土地でそれぞれのバランスで春夏秋冬があるように、人生にもひとそれぞれのバランスで春夏秋冬がやってくる。その事実にリードされるのでなく、私の意識が人生をリードする。

 

すっかり春の陽気になった最近、朝光の中で目覚められる喜びと明るい夕暮れの幸せを感じつつ。